整体院を開業したいけど、手続きがよくわからない。
手続き、というだけで「難しい」と感じて、苦手意識を持ってしまう方も多いですね。
今回は、整体院の開業手続きマニュアルとして、事業計画・資金調達・物件探しについて解説していきたいと思います。
整体院の開業手続きに資格は必要ない?
整体院の開業手続きに、資格は必要ないのでしょうか?
実は、整体院開業に必要な資格はありません。
所定の手続きをして許可が出れば、誰でも整体院を開業できます。
ここからは、整体院開業手続きについて、ご紹介していきます。
整体院で施術できる範囲はどこまで?
整体院では、手や器具を使い、全身の骨格や筋肉のバランスを整える施術をすることで、不快な症状や痛みを緩和させます。
気を付けたいのは、整体院では「治療」ができないこと。
骨折や脱臼など、治療が必要なお客様が来院したら、早急に医療機関の受診をすすめましょう。
整体院の開業であるとよい資格
整体院に来院されるお客様の希望は、体の不調を改善すること。
それに応えることができなければ、経営継続は難しくなります。
そこで必要になるのが、整体に関する深い知識と高い技術です。
整体に関連する資格は、以下のものがあります。
・柔道整復師
事故やケガなどが原因で損傷した筋肉や関節などを、柔道整復術により施術します。
公共財団法人柔道整復研修試験財団が認定する国家資格。合格率65%と難易度は高め。
大学や専門学校などの養成校で履修後、国家試験に合格すると、資格を取得できます。
・鍼灸師(はり師・きゅう師)
鍼やお灸を用いて身体のツボを刺激し、本来の身体が持つ自然治癒力を高める施術です。
財団法人東洋療法研修試験財団が認定する国家資格。合格率は75%程度。
鍼灸師という名前が浸透していますが、資格は「はり師」と「きゅう師」の二つ。
両方一緒に施術する人が多いため、鍼灸師と呼ばれるのが一般的です。
鍼灸課程のある大学や専門学校などで履修し、国家試験の受験資格を得ます。
・あん摩マッサージ指圧師
あん摩、マッサージ、指圧の技術により、身体の不調を緩和するための施術です。
財団法人東洋療法研修試験財団が認定する国家資格。合格率85%程度。
厚生労働省や文部科学省が認可する養成校で履修し、国家資格に合格することで取得できます。
上記以外にも、リフレクソロジストやカイロプラティックといった民間資格でも、整体に関連する知識や技術を学ぶことができます。
整体院の開業手続きの流れ
ここからは、整体院開業手続きの流れをご紹介しましょう。
整体院の事業計画を立てる
整体院開業を決めたら、まず事業計画を立てましょう。
事業計画とは、技術やサービスなどの新しいビジネスをする際、その方法や手
段・手順などを示し可視化したものをいいます。
よく、事業計画は地図に似ているといわれます。
詳しい情報を記載している地図があれば、道に迷う回数は減りますよね。
事業計画もそれと同じ。
整骨院開業の準備はもちろん、開業後の経営継続においても、事業計画が土台になります。
また、金融機関や自治体に資金面の相談をする際も、事業計画は必要になります。
整体院の物件探し・工事
整体院をどこで開業するかで、経営は大きく変わります。
利便性や立地、整体院のコンセプト、ターゲット層に合うかどうか、慎重に検討しましょう。
地域の雰囲気や人の流れ、同業者についてもチェックするといいですね。
一度決まった物件を変更するのは、容易ではありません。
不動産業者など専門家によく相談し、物件を決めるようにしましょう。
整体院の外装・内装の工事も、専門家に相談するといいですね。
外装・内装ともに、患者さんがリラックスできるか、患者さんに好印象を持ってもらえるかが大切です。
また、患者さんやスタッフの人達が動きやすいレイアウトになっているかも、意識するようにしましょう。
開業資金の調達
開業資金の調達についても考えましょう。
資金計画に無理がないかも必ずチェックしてください。
自己資金での準備が難しい場合は、融資を受ける必要があります。
日本政策金融公庫や、地方自治体などで提供する融資情報を調べておくようにしましょう。
整体院の開業届を提出
整体院の開業届(正式名称:個人事業の開業・廃業等届出書)を提出しましょう。
開業届は、国税庁のホームページからダウンロードできますよ。
免許証などの本人確認証を添え、開業する地域の管轄税務署に提出します。
この時、青色申告承認申請書も一緒に提出します。
どちらの書類も、必ずコピーを取り保管してください。
また、税務署で捺印された控えは、後に必要になるケースがあります。
なお、保健所への届け出は不要です。
集客の準備
整体院を開業したら、存在を知ってもらわなければなりません。
何でもネットで探すのが当たり前の今、多くの人が、商品やサービスの購入をネット経由でしています。
整体院集客の準備として、看板やチラシ以外に、ホームページやブログ、SNSの利用も視野に入れておきましょう。
整体院の開業手続きの中で特に大切なこととは?
開業届の提出は必ずするようにしましょう。
また、集客対策も早くから取り組みましょう。
技術や知識を身につけても、集客できなければ意味がありません。
開業前でもできることは、どんどんするといいですね。
整体院の競争が激化していることを理解して開業すること!
整体院開業は、資格が要らない分、当然ライバルも多いです。
競争の激しい市場で経営し続け、事業を拡大するためには、相応の努力と工夫が必要です。
整体師としての技術や知識の向上はもちろん、経営者としての能力や知識も向上させ続けなければなりません。その点をよく理解し、整体院を開業しましょう。
整体院を開業するならホームページも準備!
整体院開業をするなら、ホームページを準備しましょう。
開業前でも、ホームページを開設し更新するといいですね。
早くホームページの存在を知ってもらうことで、整体院の認知度を上げることができます。
効果的なホームページにするには専門の知識が必要なので、ホームページ作成業者に依頼するのも一つ。
どんな業者があるのか、調べてみるのもいいでしょう。
まとめ:整体院の開業手続きマニュアル|事業計画・資金調達・物件探し
整体院の開業手続きマニュアルとして、事業計画・資金調達・物件探しについてご紹介しました。
整体院開業に資格は不要ですが、整体に関する高い技術や知識は必要不可欠。
お客様の期待以上に施術ができないと、安定した経営につながりません。
柔道整復師や鍼灸師などの国家資格や民間の資格取得を通し、整体師としてレベルアップを目指しましょう。
整体院開業を決めたら、しっかりと事業計画を立て、開業届を申請しましょう。
事業計画をしっかり立てることで、開業後の経営安定につながります。
また、整体院の物件決めや外装・内装工事、資金調達も必要です。
特に、集客準備は、整体院の認知度をあげるために欠かせないもの。
チラシや看板以外にも、ホームページを開設し、早い段階から取り組みましょう。
整体院は、競争の激しい市場です。
整体師としてだけでなく、経営者としても能力や知識を磨き続け、長く愛される整体院に育ててくださいね。